黒谷光明寺を訪れた
才蔵はとつぜん寺男に斬りつけられる。寺男をなんなく倒す才蔵。それを何者かが影から見つめる…。徳川の対大坂工作を司る
俊岳の住まい・
双ヶ岡黒屋敷に潜入する忍び。あっけなく捕らえられ、俊岳の前に引き出されたのは、くノ一姿の
お国。彼女は俊岳が放った江戸方の間者であり、俊岳の実娘であったのだ。才蔵は
石楠花寺を訪れる。そこにはかどわかされた
青子がいた。己の置かれた状況がわかっているのかいないのか、才蔵と会えたことを無邪気に喜ぶ青子は、徳川から大奥の
上臈として江戸に下るように迫られていると語るのだった。翌朝、その庭に現れた俊岳は才蔵の腕を買いたいと言い、才蔵は己に高値をつける。関ヶ原の戦い以来の豊臣・徳川の緊張が高まってきていた。
佐助は京の牢人たちに金を配り内意を含めて廻る。そして江戸方からもらった報酬で遊女屋で興じる才蔵を再度大坂方へ誘う。翌朝遊女屋を出た二人は河原へ。昨夜の遊興費が江戸方から出た金だと知り、まずい顔をする佐助だが、身を浄めればよいという才蔵の言葉に素直に従い二人は川に入る。才蔵は「忍びに忠義は不要、技だけでこの世を渡るのだ」といい、そんな才蔵を佐助は「世を相手に気ままに遊び呆けている」と思うのだった。